相棒 シーズン12 第六話「ママ友」
今回は死体が見つからないまま、殺人事件があったという前提で右京や甲斐が捜査をして行く。この辺りは、いつもの相棒らしい様子だ。誰もが気づいていない事件を表面化させるのが相棒の醍醐味である。
事件を通して行くうちに、ママ友たちの関係や立場などが見え隠れして来る。ただの子供達の母親仲間ではなく、そこには微妙な力関係が見え隠れしているようだ。
しかも一見普通の主婦に見えても、娘の家庭教師と浮気していたり、子供の私立学校入学のために大金を払って裏口入学をしていたりと、それぞれに問題や事情を抱えているのが現代らしい。
米国ドラマでもこうした主婦の生活を取り上げたデスパレードな妻たちが大ヒットしたし、普段外で働く男性たちには家庭にいる主婦たちの様子が気になるのかもしれない、と感じる。
さて、当初はただの被害者かと思われた失踪した女性。調べを進めるうちに、さすが何時もの観察力の良さで、右京が死体を発見してしまう。これでただの被害者から容疑者として捜査が進んで行くのだが。
今回トリックが少しチープだった気がする。いつもなら視聴者にもなかなか分からないトリックと言うか、些細な発見が今回は少なかった。お陰で早くから犯人やトリックが見えてしまったので、今回は動機や周囲の人間関係を主に見ていたように思う。
結果として、事件は丸く収まったし、やるせない想いはなかったし、いつもよりは後味が良かったかもしれない。
だがその反面、灰汁が少なくて物足りなく感じる内容だった。