『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース著
これまでいろんな国に住んだ経験のある著者が、世界中からその国固有の翻訳できない言葉を集めた本です。
たとえば日本語ならば「木漏れ日」や「ボケッと」「わびさび」「積ん読」という単語が紹介されています。
私は、”水面にうつった道のように見える月明かり”をあらわす「モーンガータ」というスウェーデン語や、
"帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち”をあらわす「ヒラエス」というウェールズ語がとくに好きでした。
また、"トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離"をあらわす「ポロンクセマ」というフィンランド語や、
"バナナを食べるときの所要時間"をあらわす「ピサン ザプラ」というマレー語など、言葉から窺い知ることができる国民性や価値観も面白いです。
温かみのあるイラストも素敵で、まさに大人のための絵本というべき可愛らしい本です。
自分が読んでとても良かったので、母にもクリスマスプレゼントとして贈ろうと思っています。