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アルバイトにボーナスがあるなら、正社員になんてなりたくない「釈然としない」 #気になるニュース2019年


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2月16日朝、読売新聞の一面に「バイト賞与なし違法」という見出しがあった。記事の詳細はこうだ。大阪医科大学で研究室秘書としてアルバイト勤務していた女性に、大阪高裁が正職員の6割に相当するボーナスを支給するように大学側に命じる判決が出た。大阪高裁は、大阪医科大の賞与を年齢や業績などによるものではなく「就労していること自体に対する対価」と判断したらしい。事実、彼女は平日5日間、1日7時間は働いていたようなので、世間のいう「正社員」の人たちと相違ない勤務状況であったようだ。
釈然としない。いや、本来は良いニュースのはずなのだ。非正規雇用の人の待遇が良くなれば、今大騒ぎしている毎月勤労統計の平均賃金なんかも上がってくるのだろう。名目だろうが実質だろうが、賃金が上がり、生活が潤い、経済が活性化することは良いことなのだ。何も憂うことはない。社会全体としては。
問題は、個人の働き方という点にあるのかもしれない。同じく今大騒ぎしているアルバイトのSNS投稿問題なんかは、アルバイトと正規雇用の「見えない差」を暗示している。つまり、どうしてアルバイトが好き勝手に魚をゴミ箱に入れたり、おでんを口に入れて吐き出して元に戻したりなんかするのかというと、アルバイトや非正規雇用はずっと「責任のない」存在として扱われているからだ。あまりにひどい問題については、法的措置が検討されているようだが、多少のことなら「どうせ社員が謝ってくれる」くらいの気持ちの人はいるだろう。スーパーで言いがかりをつけてくる客が来たって、最後に出てきて話を延々聞かされるのは店長だし、ブルーワーカーの多く働く工場での製造ミスがあっても会見で顔を出すのは背広を着た「えらい人」だ。報酬には、勤務状況のほかに責任との交換という役割があるのではないだろうか。
アルバイトにもボーナスが出て、賃金は正規雇用と全く差はない。仮にそんな社会が実現したとする。じゃあ、私は責任を負いたくないしお金にも困らないから正規雇用は辞めてアルバイトにしよう。そんな人が、世の中に蔓延したらどうなるのだろう。「責任を取る」という仕事が、宙に浮いて、誰も謝らない社会になるのだろうか。それとも、残った数少ない正規雇用の人々が、謝罪のためあちこち行脚するのだろうか。賃金も変わらないのに。そんな社会で、良い大学に行こうとか(謝る「えらい人」は大体「大卒のエリート」だという社会の常識がおそらくある)、中国に負けない生産力が必要だとか、ノーベル賞を目指そうとか、高みを目指す人はいるのだろうか。
そんなことを考えると、なんだか社会がおおきく変わってしまいそうだ。それがコペルニクス的転回と言われるような、良い変化だったら良いけど、良くない変化だったらアベノミクス偽装どころの話ではない気がする。いつだって、裁判や基準、ルールは、1人のためでもあって社会全体のためでもあってほしい。今回の判決が、良い転回であることを期待する。