昨今、教育機関の代表的立ち位置にある大学の不祥事が良く目に入る。東京医科大学の女子受験生一律減点や、裏口入学、日本大学のタックル問題などが記憶に新しいだろう。
こうした問題で主に話題となるのが当事者、つまりここでは東京医科大学受験生や日大アメフト部、だが、最も理不尽な被害を受けているのは、問題があった大学に在籍している大学生たちではないだろうか。彼らは、大学受験という辛く苦しい試練を必死の思いで乗り越え、一般的に知名度が高く、権威のある大学へと入学したのである。その裏には並々ならぬ努力があったことは想像に難くない。そんな在校生たちの努力を一瞬で踏みにじったのが前述の不祥事による大学ブランドの失墜ではないだろうか。学歴とは、職務経験のない学生たちが社会に出るにあたって自分を担保できる数少ない要素の一つである。それを在校生に何の過失もないまま奪ってしまう行為は到底許せるものではない。大学側は当事者だけではなく、自身の大学の在校生たちにも何かしらの贖罪をすべきなのではないだろうか。