」で便利でお安く。BSプレミアム「シャーロック３」第２回<三の兆候>
何が言いたいんだろう、これが何の事件だって言うんだろう。そんなことを思いながら、変人ホームズが親友ワトソンの為になんとかいい結婚式にしようと奔走し、苦戦する姿をニヤニヤしながら眺めていた。あまりの話しの繋がらなさに今回は事件とかじゃなく、ホームズの人間的がんばりを見る回なのかなと思ったくらいだった。ワトソンとの友情に感動しろ的な。
ところがどっこい。そんなわけなかった。天下のシャーロックホームズがそんな甘いことをするわけなかった。ホームズが友人代表としてスピーチをする中で、一見バラバラに思えたいくつもの事件が一つ一つ繋がっていく。それまで慣れない人前でのスピーチなんてやらされて、アウェイ感漂うホームズであったのに事件が絡むとなると俄然イキイキとしていく。立ち上がり、歩き出し、招待客に質問しながら、その場の空気を掌握していく。表向きはスピーチの一環と見せながら、頭の中はフル回転で犯人とその標的を絞って行く。脳内映像と会場の様子とがリンクしていく様は見事だった。そして数々の点が一本の線となったとき、ホームズは狙われた標的を見つけ出す。そしてさり気なくその招待客にあなただ、と書かれたメモを渡す。社会不適合者みたいな扱いだけど、ちゃんと空気読めるんじゃん、ホームズ！と励ましたくなった。それから式の主役であるワトソンやその奥さんの機転で事なきを得て、犯人も無事に捕まるわけだが、一連の流れが本当に面白かった。小難しいことは抜きにしてただだ面白い。そう言いたくなる極上の時間だった。
