本日は、お日柄もよく 原田マハ著
スピーチライターという職業を通した物語です。冒頭の結婚式での一人のスピーチライターとの出会いから、主人公には、それまで不運ともとれる人生、何の面白味のない人生が劇的に変わっていきます。
現実の世界での自由民主党から民主党に与党が変わった時に似せていますが、政治家の演説もスピーチライターの手がける仕事であり、数か月前まで平凡なOLだった主人公が国会議事堂に足を踏み入れ、党首クラスの人物などに会うといった急展開が開けます。スピーチライターなる職業の格好良さ、文章スキルなどが細かく説明されており、ストーリーを通してスピーチの勉強も兼ねられる不思議な本でした。読む者を飽きさせない展開の速さがあり、無駄を極力省いた文章全体と言えます。私はストーリー物が苦手なのですが、読む者を惹きつける独特の原田マハの世界があります。スピーチライターの仕事も、演説、スピーチをより惹きつける為に言葉、抑揚、声の大きさなどを考慮するのですが、この本自体に読者を惹きつけるものがあると感じました。原田マハのこれからの著書に期待が持てます。