」で便利でお安く。華麗なる一族
内容紹介や簡単なあらすじ。
高度経済成長の真っただ中であった昭和40年代の中ごろ、国家プロジェクトとして進められる金融再編の中、利権を巡って様々な実力者が競争を熾烈化させていく。
そんな中、神戸に本拠地を置く阪神銀行の万俵大介頭取は自身の銀行を守り、発展させていく為様々な策を講じる。息子は二人いたが次男・銀平に対してのみ後継として期待し、また格別の愛情を注いでいる。反対に長男・鉄平への態度は冷たく、鉄平は阪神銀行の関係会社の専務という立ち位置である。その理由として、鉄平が大介の父・敬介の子であるという疑惑が兼ねてからあったためだ。性格や仕草が敬介にそっくりである事に加え、家の庭の池にいる将軍と呼ばれる大きな鯉を敬介と鉄平のみが呼ぶことができるということもあった。
好きだった出演者や登場人物、キャラクターに関して。
主人公は万俵鉄平である。
利権を追い求める父・大介に対し、金や権力に囚われず人徳や対人関係を重視し、自身が専務を務める金属工業の会社で、その抜群の知識と技術を持って懸命に働いていた。
その役を演じたのが木村拓哉さんだ。責任感と思いやりが人一倍強く、木村拓哉さんにぴったりの役であると感じた。
当然部下からの信頼は厚く、社員が高いモチベーションで仕事をやる為、技術力と生産力を核に会社の業績は右肩上がりである。父・大介をはじめ周りの実力者からは目の敵にされ、経営の障害は多々あるが、持ち前のリーダーシップによって困難を打開してゆく。
ただ、やはり懸案は自身の父の問題。弟・銀平にばかり父親の愛情が注がれ、その事を疑問視していたが、母・寧子からの謝罪を以って疑惑が確信に変わってしまった。自分は祖父・敬介の子だったのだ。自分の存在が万俵家内の関係に障害を生じさせているということを知り、自分さえ生まれなければという考えが徐々に湧いてくる。
最終回を見ての感想、終わって感じたことなど。
最終回は衝撃的なものだった。猟銃で自殺した万俵鉄平の検死報告にはＢ型と書かれている。Ａ型であった祖父・敬介とＯ型の母・寧子からＢ型の子は生まれない。このときはじめて祖父の子であることが否定され、ＡＢ型であった父・大介の子であることが判明した。大介はとたんに鉄平への愛情が溢れ出し、この運命を心から恨んだ。非常に悲しい結末であったが、このような死を迎えることが無かったならば、大介と鉄平が親子関係であることは分からなかった。真実は不幸のあとにしか判明しないのがこのドラマの面白く、やりきれない部分である。
父・大介は大型の合併を繰り返し、万俵家の地位を確固たるものにしたが、利権のみを追いかけてきた人に将来は短かったのだと思う。最後は吸収される合併で自身の権力は失われていく様子がうかがえる。
ありがとう寄稿。
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