みんなのブログ。

在宅ワークを利用して皆で更新するブログです。

スポンサーリンク

KIRIN~美の巨人たち/感想!国宝「鳥獣人物戯画」、手塚治が言ったように漫画としての原点が凝縮…(ネタバレ注意)。 #テレビ


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

KIRIN~美の巨人たち~(10月25日22時~22時半放送分)

放送内容は、平安時代に描かれたとされる国宝「鳥獣人物戯画」についての前編でした。うさぎ、猿、カエルなどが擬人化されて生き生きと描かれている有名な絵巻物で、一度は見たことがある人は多いと思います。自身ももともとこの絵に興味を持っていたのでとても楽しみにしていました。

まず前編は、甲乙丙巻の甲巻の謎に迫る回でした。一見すると一筆書きで描かれたような絵ですが、実は筆の強弱や濃淡などを書き分けられていてとても優れた技術で描かれているということ。そしてそれぞれ動物の実際の大きさは現実では違いますが、絵巻物の中では同じ大きさに描かれその力関係が平等に描かれており、作り手の動物を対等に愛おしんでいた片鱗を覗かせます。

また動物たちが本当にコミカルに描かれていて大変可愛らしく、セリフは無いものの一つ一つの絵に命が吹き込まれているようで、あの手塚治も「漫画が(鳥獣人物戯画から)全然進化していなかった。」と衝撃を受けたとのことです。それほどまでにこの絵巻物には、現代の漫画のルーツが凝縮されているのでした。

甲巻の最後に描かれていた動物は何だったのか?何とそれはリアルな一匹の「蛇」でした。蛇の出現に慌てた動物たちが、本来の動物のごとく草むらへと逃げ込みます。物語は物語、蛇の出現によって動物たちの享楽の宴は幕を閉じ、現実へと思いを引き戻されます。筆のタッチが前半と後半とで異なるため、描き手は一人では無かったようで、消失した部分は加筆されていたとのことです。

手塚治が言ったように漫画としての原点が凝縮されている、大変貴重な絵巻物だと思いました。現在の視点で見ても遜色なく存分に楽しめるものだということを改めて知って、より一層この作品に興味が湧きました。番組は前編・後編と2週に分けての放送となっているので、後編を楽しみにしているところです。